言語について
ELCは、音声学や言語を学ぶプログラムではありません。生徒達は一日を通し、様々な場面や脈絡の中で、学習内容と関連を持たせながら、総合的に言語を習得します。 ELCでは、「子どもたちの100の言葉」に代表されるレッジョ・エミリアの教育理念に基づき、コミュニケーション力や表現力を伸ばすことを重視しており、音声学やドリル、単語習得を中心とした言語習得プログラム等とは一線を画したプログラムであるといえるでしょう。
教師は、学校生活のさまざまな場面から生まれる学習の機会を活かしつつ、生徒と共に学習体験を深め、積み上げながら、英語力の習得、向上をはかります。
語学の学習を学習プロジェクトや探究などから切り離すのではなく、それらの学習内容と関連を持たせながら、時には個別で、ある時は少人数のグループで、またある時はクラス全体で といった具合に、個々の習熟目標に応じて最適なかたちで教師と生徒が向き合います。このようにしておのおのの体験と結びつけながら身についた語彙や用法は、生徒ひとりひとりにとってより奥行き深く意味のあるものになるのです。
生徒の探究意欲を刺激する豊かな学習環境で、生徒達は個々に、あるいは少人数のグループで、読む、書く、聞く、話す力を養います。
母語の重要性
子どもの発育段階において母語の確立は非常に重要です。思考や理解の基盤となる言語能力すなわち母語の確立は、子どもの学習能力だけでなく、社会性や精神面の発達に影響を及ぼします。言語習得にあたってもまずは母語の確立が大前提であり、母語が確立していなければ、第二言語の習得も困難であるといわれています。
また、ELCの生徒達の文化的、言語的背景は多岐にわたります。生徒の母語を尊重することは、本校の学校コミュニティが大切にしている、個々の生徒の文化的価値観、アイデンティティを尊重することでもあります。ご家庭では出来るだけ母語の習得、維持に努めて頂くようお願いしております。
ELCでの言語について
NISの共通言語は英語です。ELCでも授業は全て英語で行われますが、緊急な場合や、生徒の理解を助ける目的で必要に応じて補助的に生徒の母語を用いることがあります。
また、生徒の母語や文化を尊重したいと考えておりますので、英語を強制することにより生徒の母語や文化を否定するかのような印象を与えることは避けながら、生徒が自発的に英語で話す環境作りに努めています。
家庭での言語サポートについて
母語が確立していないと、第二言語の習得も妨げられてしまいます。保護者の母語が日本語であれば、ご家庭でも日本語を話し、日本語の本の読み聞かせをして頂く等、お子様の母語である日本語の発達に努めて頂くようお願いします。
読書の重要性
幼い頃から読書に親しむことは、言語能力や語彙の取得だけでなく、その後の学習の基礎となる読解力や表現力の向上にも繋がります。ご家庭でも日常的に、母語はもちろん、可能であれば英語での読み聞かせや読書をする環境づくりが非常に大切であることを強調させて頂きます。